赤ワイン&白ワインについて




一般に赤ワインは肉に、白ワインは魚にといいますが、魚でも濃い味付けにした時は赤ワインの渋味が合いますし、肉でもチキンや豚肉などさっぱりした白身のもの、やわらかい味付けのものには白ワインの繊細さが合うように思います。
魚をたっぷり使った黄金の汁であるブイヤベースには、私は赤ワインを合わせます。
赤ワインを作るのは、比較的温かい南の地方で採れた黒葡萄で、果汁も果皮も種も、全部一緒に漬け込んで、その芳醇な葡萄本来の香りを楽しみます。
皮からは赤い色素、皮と種の一部から渋味(ポリフェノール又はタンニン)や苦味、さらに皮の繊維質の細胞膜の中の葡萄本来の芳香成分が出てくるのです。
それに対して白ワインは果汁のみを発酵させたものです。
ドイツなど寒い地方で採れる葡萄は、酸味が強くフレッシュな白ワインを生み出しますが、赤ワインには酸っぱすぎて適しません。
糖分を増す成熟期に涼しかったり日照量が乏しかったりすると、糖度は上がらず酸(リンゴ酸)も下がりません。
その為温暖な地域では、酸の少ないまろやかなワインが、冷涼な地域では酸味の強いフレッシュナワインが生産されるのです。
この酸味が白ワインのフレッシュな味わいとなりますが、赤ワインにとっては酸味が強過ぎると味わいのバランスを崩すものとなってしまうのです。
けれど、さらに北部の地方になると、白ワインでもドライなままだと酸味がフレッシュを通り越して強くなり過ぎるので、完全に発酵させずに糖分を残して作る製法や、仕上げにフレッシュなブドウジュースを加えるなどした甘味を残す方法が取られています。
シャンパンで有名なシャンパーニュ地方もまた冷涼な地域なので、ドサージュと呼ばれる最終仕上げに糖分を添加する方法を取っています。





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