砂の器(第7話)

「絶対に隠したい秘密」




ついに和賀英良の元にサムライの目をもつ刑事が!!
心を張り詰め、仮面を被り、狡猾なまでに不敵な笑みさえ浮かべて部屋に彼らを迎え入れ、対応する和賀。
けれどドアを閉めたとたん震えが止まらなくなり、崩れるようにして倒れこみ嗚咽をあげる和賀。
自分がやりましたと言えたら、本当は楽だったのかもしれない。
かの日のアリバイについて、あさみと朝まで一緒だったと答えた和賀の深層心理には、もしあさみが知らないと答えるのであれば、その時は捕まってもいいとさえ思う気持ちがあったんでしょうか。
それともあさみが最後のよすがだった?
あさみが気づいたであろうことも和賀は悟っていた訳ですが。
あさみは、察して和賀が答えたのと同じことを答えた。
それが良かったのか悪かったのか、判断がつかないでいるあさみ。
何をしたいのかを訊ねる彼女に「曲を完成させたいだけなんだ」と答える和賀の声の儚い響き。
その曲の名は宿命。
あさみは全てを感じ取る訳ですが・・・・・
1人になった時の和賀。
苦しむ和賀は、部屋でピアニカを抱きしめ、幼児返りさえしているんじゃないかと思えるくらい切ない。
ピアニカは父と歩いた日々の思い出。
もしかしてその放浪の旅のときが、彼にとっては逆に人生で一番幸せな時だったのかも・・・・・
その父の息子である事を、自分の本当の名を、封印すればするほど沸きあがってくる矛盾した思い。
そんな和賀の過去に闘犬のような勢いで迫ってくる今西刑事。
その迫力たるや、流石です。
そして、和賀=三木が過去に助けた浮浪者の父子の子供=犯人である確信を得る。
とは言えその証拠は200%なく。
けれど、遂に知ったその父子の父の名。
「あの」本浦千代吉。
千代吉がそれほどまでにも有名な人物であったとは。
原田芳雄氏を使った意味がそこに現れるのではと言う期待感が沸き起こります。
次週にさらに期待!です。
まさか、政治家がらみの冤罪が元で鬼となり、警察をも恨んでいた爆破事件の犯人とか?
はたまたテロリストか?
それにしても、三木謙一は、あの瞳の綺麗だった秀夫の事を本当の子供のように思い、愛情をかけていたんですね。
あの、第1話での再会のシーンに感情の行き違いがあったばかりにあんな事になってしまったのだとしたら本当に悲しい。
三木は、秀夫の為に敢えて彼が本浦千代吉の子供であることを文章に残さず、過去を封印した人物です。
もう少し時間があれば和賀が秀夫であった過去を消すに至った心境も理解できた筈では。
そうは言っても戸籍詐称の事や有名スターにとってのスキャンダルがどれほど命取りかが理解できなかった事など色んな理由があったのかもしれないですが。




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