砂の器(第6話)

「迫り近づく刑事の影」



物語の展開が、4話くらいまでの静から一気に動へ!
和賀がもう捕まってしまうのではないかと思うくらいに色々と綻びが一気に出てきましたね。
田所代議士も、政治家としての本領を見せ始めましたね。
「何で上手くやらないんだ」「バレないように上手くやれ」「まずくなりそうな時はまず私に言え、その時は上手く処理してやる」
あくまで、和賀に女性の影を感じて案じる娘の事で父である田所が言った言葉なのですが、和賀が犯罪事件とかかわりを持っていると気づいたら、田所氏はどう出るのでしょうか。
婚約発表までして、そして財界などの著名人とも和賀を引き合わせた。
そうなると、もう最終的に田所がどう和賀に騙された被害者に成り済まそうとも、田所氏の人を見る目としての人望は傷つき、娘の綾香は傷物になってしまう。
今更自ら自白ができかねる所にまで和賀が追い込まれているような。
和賀自身も仕事や出世に関してはかなり冷徹な男で、カリスマと呼ばれた劇団の麻生にもかなり痛烈な皮肉をチクリと言って、その依頼をにべもなく断ってしまう訳ですが。
もう後戻りは出来ないという感じです。
けれど今日一番切なかったのは、玲子さんですね。
関川とお腹の子供と3人で幸せになりたかったのに、「悪い冗談はよせ」「そのお腹の子は和賀の子なんじゃないのか?」と言われて傷ついた玲子。
結局、不運が重なって流産して死に至ってしまった玲子。
けれど関川の思いは、男のねじくれた嫉妬から来ていたものだったのですね。
男の歪んだ嫉妬は女性の嫉妬以上に強烈なものが時としてあるというけれど・・・玲子の死を知って泣いている関川が哀れでした。
そして、まずは例の鎌田事件の最有力容疑者として疑われてしまうのだけれど、そこから和賀の名前が出てくる。
ついに刑事たちの捜査は、本命和賀英良にいたる。
その時の和賀英良の表情の変化が凄かった。
サムライの眼との対決。
これからは徹底的にマークされるようなので、そう言う緊迫感から言ってもハラハラドキドキの展開。
有名な小説なので先の結果は判っていても、それをどう新しい平成版の作品に仕上げていくのかが楽しみです。

そんな緊迫した展開の中、三木が観に行ったという「陰陽師U」に何かヒントがあるのではと必死になって調べている捜査陣がなんともユーモラス(笑)。
その映画には何のヒントもない〜
「模倣犯」でも見てたのなら犯人が判ったのではと毎回思わず突っ込んでしまうのでした(笑)。

お嬢様役の京野ことみちゃん。
世間知らずのおぼこなお嬢様がとてもはまってますね。
でも、和賀英良と会ってしまったことで、彼女もまた人生の岐路に立たされるのでしょうか。





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