砂の器(第2話)

「目撃者」




今回は、大分和賀英良の性格のようなものが突っ込んで描かれていたように思います。
自分の「宿命」を乗り越える為に、彼はその美貌と才気を活かして様々な人間を利用してきたのでしょう。
元恋人であった女性の「相変らずね。意に沿わないものは綺麗に消しちゃいたいって」と言う言葉にもなんとなく伺えました。
けれど、和賀英良は鬼にはなり切れない。
そんな彼本来の心の優しさも手伝って、動けば動くほどボロを出して行く。
そんな哀しい殺人者の様が、切ないほど伝わってきた事です。
中居くんは表情豊かで、ますますいい演技をするようになってきましたね。
ただ立っている分には過去に演じた直江庸介やピースと通じる部分があるけれど、その殺人を犯してしまったものの悲しみと狂気がまさに「和賀英良」で。
栄光と挫折。
その全てがその表情の中に表現されているようです。
この作品自体、言葉で説明するのではなく「感じさせる」表現法で、今週もじっくりと見入ってしまいました。
和賀英良の哀しみが、あさみの哀しみに共感し、心が触れていく過程もよく伝わってきました。
辛口評論家の関川もまた、どうやらこの事件に関わっていく感じ。
鬼の仮面をつけた和賀の、その仮面がどんどん破れて行く。
何の悲しみも知らない陽だまりのようなお嬢様の綾香を愛しいと思いながら同時に相容れなさを感じているであろう和賀。
でも、お嬢様の綾香にとっては、この和賀を愛してしまった事が彼女の哀しみともなるのではないでしょうか。
誰もが持っていて、本当はしっかりと向かい合わなくてはいけないであろう「宿命」と言うものが、今後どのように描かれていくかさらに楽しみです。





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