★Thyme(タイム)★


タイム。
それは、シェークスピアの「真夏の夜の夢」にも、妖精の女王タイターニアがまくらにして眠るとハーブとして登場する植物で、私が子供の頃から憧れたハーブの一つでした。
悪夢から逃れ、妖精に出会えるためのハーブとしても知られています。
シソ科の植物で、ギリシャ語で「勇気」を意味する「Thymon」に由来し、ローマの戦士達はこれを腕にこすり付けて強さを表したり、中世ヨーロッパの貴婦人達は愛する騎士のためにタイムの枝を刺繍したりしたそうです。
外見はとても愛らしいのに、強力な防腐性と保存性を持ったこのタイムは、ミイラ作りにも重要な植物で、エジプト人にもとても大切にされていたようです。
その葉に含まれるティモールは強力で、空気中のウイルスやバクテリアを取り除き、体内の有害な細菌を殺菌するそうです。

精油としてはとても強力なものなので、取り扱いに注意ですが、ハーブとしてはハーブビネガーやハーブオイル作りに、ブーケガルニの材料にと、お料理にも大活躍です。
庭に植えておけば、手軽に使用できます。
又、濃い目のハーブティ(浸出液)をつくり、パッティングすると、収れん・トニック効果も絶大です。
頭皮のトニック剤としても、ふけや脱毛にも効果的です。
ハーブティは咳を鎮め、喉の痛みを癒してくれる働きを持ちます。
消化不良も改善します。
デオドランド効果も高く、さわやかなポプリを作るのに適します。
私は、このタイムを使ったポプリを、玄関や化粧室廻りにおいたり、車の中のポプリとしてプレゼントしたりしています。
春になると一面に愛らしい花を咲かせ、ガーデニングとしても素敵。
クリーピングタイム(這い性のタイム)で素敵な芝生がつくれます。
日の光を一杯に受けて、春の訪れを告げてくれる事でしょう。

(京都ハーブソサエティ・うすべにあおい9号掲載)





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