白い影第8回感想

★直江庸介の秘密★


今回は、もう2度と味わえないかも知れない直江先生と倫子の切なくも美しい二人だけの時間が、とても愛しい感じで描かれていて、胸に染みました。
夏生まれ(獅子座らしい)で、野球部でボート部で、無口ではあったにせよさぞ前向きな爽やかな学生生活を送っていたんだろうなと思わせる直江先生の片鱗がそこにうかがえて和やかでした。
先の約束をするけれど、それはかなわない事と直江は知っている。
たぶん・・・直江の誕生日まで、直江は生きられないであろうことも。
そして倫子のお誕生日を家で祝おうと、お買い物中のふたり。
倫子がいろいろ見ている間に手持ち無沙汰げだった直江先生が、いかにもそれらしくて微笑んでしまいました。
でも、倫子がそこで見てて欲しかったアクセサリーを、ちゃんとプレゼントしてあげるなんて、心ニクイです(笑)。
どこで見ていたのか、いつの間に買ったのか?
魔法のような直江先生。
そして倫子以上にお喋り大好きなお母さんと直江の初対面。
とても微笑ましい情景でした。
お母さんが呟いた「恋せよ乙女」。
この歌詞の前には「命短し」がつくのだけれど・・・
直江は無口で黙っている人だけど、傍で倫子がぺちゃくちゃ小鳥のようにさえずっているのを聞いているだけできっと幸せなのですよね。
二人でいる幸せをかみしめて、嬉しそうにその腕にもたれかかる倫子を、宝物のように思っている直江の心が感じられました。
倫子ちゃん、まるで子猫みたいで可愛かったです。
そしてこのふたりが付き合っていた事をようやく知る小橋先生(笑)。
その鈍い所がまた、小橋先生の愛らしさであり人の良さなのかもしれないですね。
それと並行するように描かれる三樹子の切ない直江に対する思い。
直江の秘密に真っ先に触れてしまって、けれどどうする事も出来ないその女ごころに、ああほんとうに三樹子さんも又、直江先生を愛していたのだなと思いました。
直江が悶え苦しむ姿を目の当たりにして、もはや自分で注射も打てなくなっている彼に注射を打ってあげて。
その後あまりのショックに打ち震えている彼女を、振り返ってちょっと微笑む直江先生の視線に、これまで自分に付き合ってくれた「都合のイイ女」であった彼女への、直江なりの一つの愛情方法を見た気がしました。
これがこの二人なりの大人の関係だったのでしょうか。
けれど、そんな直江先生にとっては、今はただ1人の天使のような存在であるのが倫子。
その無邪気さが、優しさが、汚れを知らぬかのような純粋さに、ある意味ひたすら彼女の腕の中に溺れていく直江先生が愛しいです。
そしてようやくありました。
ベッド?シーン。
ひたすら眠る直江の横で見せる倫子の肩と背中がチラリズムと言うのか、初々しくて色っぽかったです。
願わくば直江先生のがチラリとでも見たかったのに、まさか病気だからなのか(笑)、首さえも布団に隠れかけているんですね。
そして対照的なのは、実はお気に入りの小夜子を寝取られていた?嫉妬を奥底に隠して、直江の弱みを探して追い出そうとしている行田院長。
治験薬のフロノスを直江が大量に受け取っているって、自分で自分に(注射を)打ってる訳がないから横流しかもとは。
その「そんな筈が無い」と言ったまさにそれが理由なのに。
見事な悪役振りですね。
又、小夜子の、実は自分の立場保持の為だけに院長の言いなりになっているので、本当はこの院長の事が嫌だと思っているっぽい表情が、何とも言えず良かったです。
そんな彼女に迫る院長の蛇のようなエロオジサマ振りの津川さんの好演ぶりも又、オミゴトでした。
そして、専門ではない筈なのにMM(多発性骨髄腫)になりかけの患者に敏感に気付いて早期発見に導いた直江先生。
そのあまりの迅速ぶりを、少々不思議に思った小橋先生。
その直後に、直江がそのまさにMMの患者であり、どうやらもはや手遅れなくらいに転移している事を知る羽目になった小橋先生。
その、唇震わせてとても悲しそうな目の表情に、本当に胸が痛みました。
もう、長くはないって・・・・・
次週は、ますます病状が進む直江先生。
予告で倫子が慌てて揺さぶる中、やつれてもうすっかり意識を失っていたように見受けられたのですが。
医者として最後まで生きたい直江先生はどうなってしまうのでしょうか。
切ない人間模様も描かれるようで待ち遠しいです。
それにしても、毎回直江先生の倒れこむシーンの迫力のあることには、本当に目を見張ります。
本当に苦しそう。
中居くん、本当にこの表情だけで見せる演技がお見事です。





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