白い影第4回感想

★主治医のミス★


今回は、全体を通して行田院長のしたたかさと狸ぶりを感じたことでした。
直江先生も小橋先生も、それぞれの形で真剣に患者に接している中での、院長のその腹の内。
宇佐美繭子を名誉が大事な鬼と、芸能界は汚いと笑うその本人が、一番名誉の鬼で狡賢い。
そのさまが、逆に直江先生や小橋先生の真心を光らせている感じで、とても良かったです。
小橋先生が特別に贔屓にした(ご本人は特別にした意識は無いのでしょうが)次郎。
それに対して、結局病院の名誉も著しく危機に陥れる行為を、卑怯と思えるやり方でやった次郎。
その次郎に対して監督不行き届きと言う事で名乗り出てきた小橋先生には一切お咎めなしで、記者会見の後のリーク写真の時でさえ謹慎にしなかったのに、いきなりとも言える「患者である次郎を殴った」ということで直江に謹慎処分をした院長。
いい口実ができたと言えば言えるのですが、実の所は娘の婿候補の小橋をややこしい事に巻き込みたくなかったからの矛先転換だったのでは、と思えました。
確かに、危険な香りのする男である直江先生よりも、温厚でおっとりした小橋先生の方が、結婚相手として親が選ぶ目は間違ってはいないと思うけれど。
直江先生は絶対自分の言いなりにはならないが、小橋先生なら自分の配下と言う思いも、院長にはあったのでしょう。
けれど小橋先生はそんな行田院長に、色んな意味で少しずつ不信感を抱いて行く感じがしました。
直江先生とも、お互い医者同士立てるところは立てる、そして尊敬しあっている感じで、意見は対立しても根本では分かり合っていける二人なのではないかと思いました。
そして今日の直江先生。
何もかも全部自分で背負い込んでしまっているように見えました。
全ての責任も、痛みも苦しみも葛藤も。
一人鍵をかけて痛み止めの治験薬を打つ姿も、切なかったです。
そして、ラスト間近のシーンでの夕日をバックにして酒をあおる背中が物語る孤独感。
「直江先生が消えてしまいそうで」と戻ってきた倫子が見た直江先生の涙が胸に痛かったです。
そして思わず抱きしめて自分からくちづけをしてしまった倫子に感情移入してみていました。
直江先生を演じる中居くんがそのシーンでは前髪を下ろしていて、一辺に幼い感じになっていたのでよけいに儚さを感じました。
あんな顔で泣かれたら・・・惚れてしまいますね。
かぶさってくるエンディングテーマの「真夜中のナイチンゲール」が見事にストーリーと合っていて、余計胸がキューンとしてしまいました。
何だか時々掻き消えてしまいそうな儚さをファンである私たちに感じさせる中居くん本人ともダブらせて見ていました。
最初のシーンで貧血起こした倫子を看病する直江先生は、いかにもお医者様で頼れる感じだったのに。
診察される倫子も赤ちゃんみたいだったのに、その逆転のギャップが良かったです。
そして、今日のメインの患者であった宇佐美繭子。
必死で生きている彼女の、その不死鳥のような生命力が伝わってきました。
その彼女の逞しさに敬意を表すると直江先生。
陥れの多い世界で、何と言われようと命がけで生きているその姿は、私も美しいと思いました。
そして戸田次郎。
良かれと思ってやったことが全て、短絡的な思考のあまり、裏目に出る。
簡単に死のうとする彼に、直江先生は怒りを爆発させたのでしょうか。
生きたくても生きられない人達が、世の中にはたくさんいるというのに。
その次郎に、仏様のような心で一生懸命接する小橋先生。
次郎に何もしてあげられない自分が悔しいと。
そんな先生の気持ちに、次郎が本当の意味で答えられる日がいつか来ると信じたいです。
そして末期癌の患者、石倉さん。
つかの間の笑顔が切なく、けれど宝物のようでした。
来週は又、この石倉さんの病状のお話になるようで、切ないですがお話の展開が楽しみです。
そして、病状が進んで、色んな女性との恋模様ももつれていく直江先生の模様も楽しみです。





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