THE SECRET LIVE 雑感



シークレットライブ。
この言葉の響きには、「密室芸人」の如き匂いを感じてドキドキしてしまいます。
このSMAP(中居・香取・草ナギ)としての初公演のチケット取りは激戦で、電話予約のみと言う事だったのですが、敢え無くも敗退し、私は今、ビデオ発売を待つ状態です。
このライブはコントライブと言う事ですが、コントライブとは、芸人が本の段階から参加して、作家と共に作ったそれ自体が一種の舞台のようです。
何度も何度も練習し、ネタ合わせをして・・・・・
なので、9/22に発売されると言うビデオを見た後、このライブについては「舞台鑑賞」の方に感想を述べたいと思っています。
なので、ここでは私なりの雑感を、つらつら書き並べて行きたいと思います。

中居くんが何年もやりたいと思い、温めていた企画。
私は京都でのソロコンサートに行きましたが、その時からもうこの企画を考えていたように感じました。
それが今回実現した事に感涙です。
エンターティナー、そしてプロデューサーとしての中居正広が私は好きです。
一から自分達で作り上げるこういう「作品」こそが、中居くんがこれからもほんとうにやっていきたいことなんでしょうね。
そこには、演劇的な演技力も必要とされるだろうし、音楽的なもの、美術的なもの、ありとあらゆるものが必要とされて行く気がします。
私は、中居くんってたとえば「笑い」にしても、本当に作り込んでやって行くものが向いているように思います。
色んなトータルされたものの中で中居くんには磨かれて欲しい。
中居くんには今後共に本当に色んな経験を積んで欲しいと願っています。

アイドルがタブーに挑戦する・・・・・
これが、このライブのテーマのようですが、
「アイドルの禁止7ヶ条」というのが、客席にチラシとして配られているのだそうです。
これをもとに次々にタブーを破って行く・・・・・
何だか
「七つの大罪」を連想してしまいました。
道草日記にも書いた事ですが、ホンモノの「七つの大罪」をテーマにして、どうか続けて行って欲しいです。
「怠惰」「色欲」「嫉妬」「大食」「強欲」「高慢」「怒り」。
今もこの人間とは切っても切れない感情を盛り込んで色々やっているのでしょうけれど、もっとこれを追究して掘り下げて行って欲しいなと願います。
チャップリン風のパントマイムも希望。
チャップリンは中居くんの尊敬する喜劇俳優だから・・・・・
あの笑いとペーソスを、にじませる事の出来るようなエンターティナーに成長して欲しいです。

こうした、自分がお金を出してでも見たい、行きたいそういった形式のものこそ、中居くんには向いているのではと思った事でした。
そして中居正広は生がよりいい。
中居正広はステージ(舞台)がより光る。
常々こう思っているのです。

業界関係者の方が沢山来ておられたとか。
嬉しいし有難いです。
初の試みとして、まずはより多くのプロフェッショナルな方達の厳しい目で生で見て頂きたいからです。
私としては、絶対鳥越さんごのみの「笑い」に違いないと思っていたら、やはり行かれたようで、3時間半笑いどおしだったとサンデージャングルで言って下さってて、本当に嬉しかったです。
老若男女問わずに夢中にさせてくれるとの触れ込みでしたが、さもありなんと思う・・・・・
そしてタモリさんも来て下さったと聞いたのですが。
タモリさんは密室芸人の帝王。
この方の芸こそまさに通好みの密室芸であり、いろんなことをご存知で、しかも毎週お昼の番組でいろいろと彼らを可愛がって下さっている、言わば「お父さん」だから、そういう方にちゃんと見て頂きたいです。
私は、彼らの今後続けてくれるかもしれないこのシークレットライブが、こうした方達の眼鏡にきっと適うものであると、又そのように成長して行ってくれると信じて止みません。

シンツヨの「壊れぶり」。
これは吾郎ちゃんもそうなのですが、こうした特異な天然に近いキャラクターを見事に操り、舞台として光るように上手に持って行けるのは、中居くんの右に出るものはいないとさえ私は思います。
SMAPの名プロデューサー。
そうしたものが今回活きたのではないかとも思いますし、又中居くんはファンが自分の「どんな」カッコイイポーズを見たがっているのかも、きっと知っている・・・・・
中居くんの結構もじゃもじゃに生えてきた(くっついているに等しいが)“無精ひげ”は、剃る前に撮ったこのライブインタビューのVTRで拝む事が出来ました。
似合う、とは言わないけれど、このコントにかけている男の顔って言う気がして魅力的でした。
中居正広は、髭を生やしてさえも愛らしく美しい(笑)。
それは、どうしても特異なキャラクタ−の方ばかり目が行きやすい世の中で、時には目立たない事もあるけれど、じわじわと染みてくる。
これはひとつの個性だと言う気がします。
それが、味の濃い肉や魚とも上手にかみ合って、どちらも噛めば噛むほど味が出るようになってくる。
こうしたプロデュース力もまた私にとっては中居正広の魅力の一つです。
ぜひ、これだけ作り込んだ、ある意味上質の舞台なら、定番としてもぜひ2回目3回目と巡業して欲しいものです。

さて、このビデオ発売ですが、なんと中止になってしまいました。
見られなかった身としてはショックですし悲しいですが、もともと「タブー」に挑戦した舞台だったのだし、仕方ないのかなと、ちょっと諦めムード。
それよりも来年再来年と、ぜひに又やって欲しいです。
コンサートやライブを自分で作り、自分で実演する。
その中居くんの才能が、SMAPというグループを光らせてきたし、個人個人のそれぞれの才能や活動は別として、SMAPというグループの個性と売りは、この意味で中居正広の身体と心のうちに帰属するのではないかと思っているので。
そしてこのコントライブについては、新しいものもいいですが、まずはひとつのお芝居なんだから、あの東京公演をそのまま一つの持ち札、定番として関西でもやって欲しいんだけど・・・
中居くんは留まることが嫌いな人だと思うので、次はもっと新しいものを考えていそうだけれど、定番を持って、それをより深く身体に馴染ませて追究していくこともまた素敵なことだと思うんだけどな・・・・・
最初は、やはり「やった」ということのほうが大切なので、完成度としてはこれからの方が期待大だと思うのです。
その為にもこれっきりにはして欲しくない。
何にせよ、2000年に向けての今回の事はプロローグとして、今後に期待しています。






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