「模倣犯」
6/11
「ナゼ人ヲ殺シテハイケナイノ?」
これは、今回のこの映画のサブタイトルとも言える言葉なのですが、当たり前の事のようで、実は昔から様々な形で問われてきた言葉と言えましょう。
人間は生きるために動植物を殺生する。
人間は戦争と言う名前でその破壊行為を正当化する。
ドフトエスキーの「罪と罰」と言う作品の中のテーマも、このことでした。
又、よく言われるのは、三島由紀夫と言う作家は人を殺したかった。
けれど人を殺すと罪になるので彼は作品を書くことでその欲求を満たし、昇華させた。
そして最後には自分自身を殺した、と。
あの有名な割腹自殺は、メディアを巻き込んでの騒動でしたが、当時子供だった私もとてもよく覚えています。
人間の中の特に女と言う生き物は、概して産み育て守る性なので、この殺生すると言う行為には生理的にも嫌悪感を示すけれど、料理すると言う行為はいったん何かを殺生し、そこから新たに新しい価値を見出して作り上げると言う事。
選民思想と言う考え方がありますが、進化の中でも動植物は自然淘汰される。
その中に巣食っている人間本来の感情なのでしょうか。
神と悪魔が裏表の存在であるように、このテーマは複雑なようです。
だからと言って、人には人を殺す権利などない。
人にはそれぞれ生きる権利もあると言う訳です。
ならば、古来からあった闘牛など、人が牛を屠殺するのを楽しむ事はどうなのか?
複雑な問題を孕んでいるようです。
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