「模倣犯」
6/8
今日、初公開のこの映画を見てきました。
本当に色々考えさせられた映画でした。
答えなどそこにはない・・・或いは幾つもの解釈が可能であるかもしれない映画だと思いました。
ピースは、ある意味現代社会のひずみが生んでしまった一種の悪魔でしょうか。
悪魔とは、美しく当りもソフトで、カリスマ性もあるからこそ人を惹きつけ、自分自身の持っている暗闇の中に周りを引きずり込んでしまうものなのでしょうか。
中居正広の持つ透明感や繊細さと言った表情、そしてクールビューティな美しさが、そのピース像に輝きを与えていたように思います。
ピースは、静かに微笑しながら人を殺す。
ピースの目は、どこか遠い彼方を見ている。
殺人ゲームを企画する事を楽しみながら、その反面その事に対して無関心であるかのようなピースの深い虚無感。
ピースは或いは自分の死に場所を探していたのでしょうか。
そしてピースと有馬老人。
この両極端な存在の対決にはとても凄みがありました。
ピースは、もしかしたらこの有馬老人と言う存在に、憎しみと憧れの気持ちの両方を抱いていたかもしれないですね。
その最後のとき、自分の犯罪を糾弾されて、「スッキリしましたか」と微笑むピース。
自分の死を前に、ピースの心ははじめて平和(ピース)であったかもしれないですね。
一緒に行った主人も、この映画を見て、ピースの最後の計画は、網川浩一を殺し、そして新しい命として再生させる事だったかも知れないね、と言っていました。
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