花模様

『ラベンダーパワーと私』

ラベンダー。
数あるハーブの中でも、もっともなじみが深く、名高く利用価値も高いものですが、2年前、私はこのハーブにとてもお世話になりました。
それまで、私は、乾燥肌であったものの、お肌のトラブルにはさして出会った事はありませんでした。
それが急に身辺の様子が変わったり、ホルモンが変化したりする時期と重なったせいか、ひどいアトピーになったのです。
最初は足と腕だけだったのに、軽く考えて皮膚科ではなく産婦人科でいろいろ兼ねている行き付けのお医者様に行ったせいで、きちんとした対応が出来ず、なんと、顔まで腫れてしまいました。
人は、それがある時は何とも思わないものですが、失ってはじめて自分の持っていたものの大きさに気付くものです。
肌にトラブルが無かったせいで、33歳(当時)と言う年齢で素肌に口紅一つで外出する事も平気だった私にとって、顔が腫れると言う事は大きなショックでした。
その上、「かゆい」ということが、「痛い」と言う事以上に辛い、我慢できない、神経を毛羽立たせるものだということを、改めて実感する毎日でした。
電子レンジの排気口のぶつぶつ穴や、道端によくある溝の上にはめてある金の板のずらっと並んだ穴や、そこに時々ぶつぶつとはまっていたりする石ころなどを見るだけでかゆくてイライラしたものです。
しまいに腕の柔らかい所から粉がふき、汁が出るような状態になった時、私は1ヶ月仕事も休ませて頂き、皮膚科での治療とアロマテラピーによる改善を始めさせて頂く事になったのです。
まず、医者による所定の量のステロイド剤を服用する事から始めました。
ステロイド剤は、副作用があるし怖いものですが、ひどい時にはやはり必要なものです。
けれどこれだけでは、熱を一時的に下げる働きしか持たないので、そこでアロマテラピーの精油を混ぜたホホバオイルを患部に塗って毎日治療に励みました。
アトピー症状の為、皮脂膜が無くなってしまっていて、水分をいくら補給しても蒸発してしまい、バリバリに乾いて非常にかゆい乾燥状態になり熱まで持ってしまっています。
そこで、水分だけでも油だけでもなく、両方をせっせと肌に与える事によって、自然治癒力により皮脂膜を取り戻すべく頑張りました。 その時、私を助けてくれたのがこのラベンダーだったのです。
汁が出ている時は、私の場合、ラベンダーではかえって汁を排出してベトベトになってしまったので、その時はラベンダーと同じシソ科の植物である紫蘇のエキスを溶いた水とホホバオイル、そしてその時手に入れた紫蘇オイルをもちいたのですが、汁がとまってからはずうっとラベンダーのお世話になりました。
匂いが又気持ちを落ち着かせ優雅にしてくれるので、かゆくなるたび肌にたっぷり塗っていた私は、まるでお姫さまになったような贅沢で夢のような気持ちになりました。
「あら、いい匂い。どこからかしら・・」 とそばに行くと、そこにおられた知らない人たちが話しておられ、嬉しくなった事もあります。
やがて、ステロイド剤を飲む回数も減り、肌に熱を持たなくなって来てからは、ローズマリーやらハッカのオイルを加えて、すっかり治った今日にも至っています。
もとは乾燥肌なので、アトピーの要素も持っていたのだと思います。 ですから、治った今でも、美容と健康の為に、せっせと塗りつづけています。
肩の凝りや毛髪の保護の為にもとてもよい効果をあらわしてくれて、用途も広いです。
アロマテラピーでの改善は、あくまでも自然の治癒力を引き出すものなので、時間はかかりますが、今ではすっかり治り、日々楽しく活用しています。

(京都ハーブソサエティ・うすべにあおい4号掲載)



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