「中居正広の 家族会議を開こう4」感想
(2000年9月20日放送)





今回でもう4回となるのですね。
こうしてじっくりと続かせてきた事に感動すら覚えます。
こういう難しい番組に挑戦していく中居くんの姿勢にも。
今回は討論と言う形を取って激論ですね。
まずは学校教育のあり方を考えるということで、「体罰」そして「いじめ」。
他局で中居くんが松ちゃんと演じた「伝説の教師」を思い出してしまいました。
このドラマ体験によって、ある意味中居くんは大きく得るものがあったんだなと思いました。
10代の学生たちとの本音とも言える討論ですが、結構表面だけの事を揚げ足取ったり、自分と違った価値観を認められなかったりで喧喧囂囂。
もう、際限なく一歩退く事が出来ずに突っ走れるのは一種の若さゆえの特権でしょうか。
そうしてぶつかりながら大きくなるのでしょうけれど。
けれど、人と違った事をしたらいじめられる、キモチワルイと言われる世界観の狭さは人間を大きくしない。
中居くんがキレたのは、中居くん自身が常に「人と違っていたい」「その上で何かをしたい」ということを、自分自身のポリシーとしているからなんだろうなと思いました。
自分が相手をヘンだと思うのは自由だとしても、それを口にするのとしないのでは、社会的に違いすぎる。
人をとても傷つける言葉だから。
そしてそれに対する子供たちの答えが、子供相手にマジで怒るなって、都合のいい時にだけ「子供」になる訳ね(笑)。
キレた中居くんは本当に迫力があって、彼らも少々ひるんでいたように思いました。
こういう中居くん・・・・好きです。
何熱くなってんのと言われようが、そんな彼に惚れ直してしまう一瞬(笑)。
この番組では終始中立の提案者としての立場をとっている中居くんの、こういう瞬間があってもいいと思いました。
自分と価値観の違う人間に対して、それだけの理由で「キモチワルイ」と言葉に出して言い切ってしまうその行為が許せなかったのね。
そして、イジメで子供が実際に自殺に追い込まれたお父さんが登場。
そのお父さんの前でも、結局「自分が自分が」の主張を緩めない子達もいる。
こういう社会の構造って、大人の世界でも、表面に出さないだけであるように思います。
でも同時に黙って涙を流す子もいる。
そう言う中から、こうして話す中から、新しい希望も見えてくるのでしょうか。
HELP。
まずは同性愛の問題。
カミングアウトするのは、日本の現状では難しい事のように思います。
中居くんも言うように、デリケートすぎる問題かも。
でも、結構可愛い子だから芸能界に入れってテリーさん。
芸能界はゲイも多いからって(爆)。
結局カミングアウトしたKくん。
彼自身の問題として考えて、とても勇気ある行動だと思いました。
主張もシッカリした子だし、優しいし。
自分の発言に、自信と誇りを持つ。
色んな意味で難しく、大切な事だと思わされました。
次はリストカッターで自殺未遂を繰り返す女の子。
死ねないのが判ってて、エスカレートして深みにはまってしまっている彼女。
「急がないで、ゆっくり転んでゆっくり立ち上がればいいから」
「立ち上がる事を覚えればいい」
「転ぶ事は恥ずかしい事ではない」
これらの中居くんの言葉が、本当に力強く心に染みました。
次はレイプ。
初めて会った男の家に入るなどと言うのはとても危険。
これを責める事は容易いけれど、実際にそうなったしまった女の立場と言うのは、どう頑張っても受身にしかなれず重いもの。
男は一過性のもの。
女の側も当然身を守るべきだけれど、男の側にもその痛みを噛み締めていて欲しいものです。
次は両親から受ける虐待。
血の通った母子なだけに、母親が自分自身の中のもっともイヤな部分を鏡のように子供に映して見てしまって、それでエスカレートして虐待してしまうってこともあるのでしょうか。
再現VTRはまるでシンデレラと言うか少女漫画の悲劇のヒロインみたいだけれど、結構気の強そうな女の子だと思いました。
幼稚園児の子供らしい心理の羨ましさからとは言え、同じ幼稚園のお友達の目を鉛筆で刺すなんて、そのあまりに過酷なお母さんと同じものを感じてしまいました。
でもそれは、母親や回りが上手に誘導してあげればいいこと。
その母親の虐待を、新しく暮らしはじめたお父さんに話せないと言うのは、心の奥はとても優しい子なんだと思うから。
今は、彼は彼なりに一緒にその痛みを背負って庇ってくれる優しい彼氏もいるし。
この自分の痛みを糧に、自分自身は優しい素敵なお母さんになって欲しいなと願います。
次は薬物―覚醒剤。
クスリは人格を破壊すると言う。
そうなる前に、それを引き止める力が「家族」にはありそうです。
今回のテーマや討論は、「家族会議」と言う形ではなかったけれど、これを見た私たちの一つ一つの家族が、めいめいに話し合い、語り合う場を作っていってくれということなのかなと、受け取った事でした。




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