絵本のご紹介




年代を問わず楽しんで読める、綺麗な絵本のご紹介です。


★トーベ・ヤンソンのムーミン絵本 (講談社の翻訳絵本)

 講談社
 作・絵 トーベ・ヤンソン
 訳   渡部翠

   (1)それからどうなるの?

      ムーミンシリーズの、綺麗な仕掛け絵本です。
      トーベ・ヤンソン自らの絵で描かれた絵本で、各ページにあけた穴をくぐってお話が展開します。
      ママのお使いで、ミルクの重い缶をもって暗い森を帰っていくムーミンが、ミムラねえさんと共に、
      行方不明になったちびのミイを探して大冒険。
      ページをめくるごとに新しい世界が開けます。
      のんびりうきうきお散歩していたちびのミイも見つかって、ようやくママの待つおうちに帰ります。
      花に囲まれ、パパの帽子にスグリの実を集めるママがとても綺麗です。
      「さっそくパーティよ」というママ。
      なのにせっかく持ち帰ったミルクが冒険の間にすっぱく固まってしまっていてしょんぼりとするムー
      ミンに、楽しげに「すぐりのジュースがたくさんありますからね」というママ。
      ママがいるところにいつも幸せが生まれる。
      この幸せの象徴のようなママが魅力的です。

   (2)さびしがりやのクニット

      ひとりぼっちのクニットが、友達を探して旅に出ます。
      恥ずかしがりやのクニットが、フィンランドのうつくしい風景の中をさまよって、少女スクルットに出
      会います。
      この少女を守る為に、勇気を奮い立たせたクニットは、ようやく彼女と本当の友達になることが出
      来たのです。
      ちいさなちいさな恋の物語です。

   (3)ムーミン谷へのふしぎな旅

      美しい水彩絵本です。
      気難し屋の少女スサンナが、野原で不思議なめがねをひろいます。
      そのめがねをかけるとあら不思議。
      見慣れた世界が一変して、何が起こるかわからない新しいめちゃめちゃ世界に。
      そしてスサンナは、私たちの見知った素敵なムーミン谷の人々と出会って、谷に向かって旅をはじ
      めます。
      ムーミン谷へ、あなたもようこそ。

★ようこそ森へ (ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞)

 福武書店
 作 村上康成

      その名のとおり、絵を楽しむ為の絵本です。
      ぱらぱらと本をめくって、あなたもこの本の森に迷い込みましょう。

★雪わたり

 mikiHOUSE
 作 宮沢賢治
 絵  方緒良

      狐の子と村の子供の、心温まる宮沢賢治のファンタジーと文章の世界を、綺麗な絵本で楽しみまし
      ょう。
      日頃、このように美しい雪わたりの世界を体験することの出来ない地方の人にも、まるで原風景のよ
      うに思い描かせてくれる宮沢賢治の世界です。

★よだかの星

 mikiHOUSE
 作 宮沢賢治
 絵 中村道雄

      中村道雄の見事な組木絵で絵本化された「よだかの星」。
      醜いというだけで疎まれたよだかの極まった悲しみと、その心の美しさの極みがラストで昇華します。

★あおいとり (いわさきちひろ・おはなしえほん)

 講談社
 原作 メーテルリンク
 文  立原えりか
 絵  いわさきちひろ

      原作は長い戯曲ですが、このクリスマスの夜の一夜の夢を、いわさきちひろの温かくも優しい絵と、立
      原えりかのやさしい文章で楽しんでみましょう。

★くるみわり人形

 ほるぷ出版
 作      E.T.A.ホフマン
 絵      モーリス・センダック
 英語訳   ラルフ・マンハイム
 日本語訳  渡辺茂男

      モーリス・センダックは、パシフィック・ノースウエスト・バレー団のクリスマス公演で上演された「くるみわ
      り人形」のステージデザインと衣装を担当した人です。
      バレーを見るような気持ちでこの絵本を読むとさらに素敵でしょう。
      子供の頃に初めてこの物語を読んだのですが、ネズミの魔法と復讐が恐ろしく、その分物語の美しさが
      際立って、はらはらさせられました。
      そして同時に夢見るような気持ちにさせられたことでした。

★まほうつかいのむすめ

 ほるぷ出版
 文 アントニア・バーバー
 絵 エロール・ル・カイン
 訳 中川千尋

      アントニア・バーバーは、ベトナムから迎えた養女のためにこの物語を書いたそうです。
      まほうつかいの力で、姫君のような暮らしをしていたむすめでしたが、人が生きていくにあたってのたい
      せつなもの、人との心のつながり、そして本当の自分を求めるようになります。
      そして、本当の母と兄に巡り会い、貧しくとも愛と自由に満ちた暮らしを選び取ると言う物語です。
      絵もまたたいそう幻想的でうつくしいものです。

 





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