【動物性香料】



麝香(ムスク)、竜涎香(りゅうぜんこう・アンバーグリス)、霊猫香(シヴェット)などがその種類です。
たいそう保留効果のある香りで、主に香りの最後の隠し味として使います。
媚薬としても有名で、恋をいざなう香りです。

ムスクは、麝香鹿の雄の生殖腺嚢から取り出した香料で、そのままだと臭気を放ちますが、薄める事で芳香にかわります。
やわらかいけれど、じわじわと効いてくる香りです。
楊貴妃が玄宗皇帝から与えられた匂い袋の香りであるともいわれます。
ペルシャ系の血を引いていた楊貴妃は、体内より芳香を放ち、その香りがムスクの香りであったとも言われています。
又、ナポレオンの妃ジョゼフィーヌが愛用した香りでもあるとか。
今現在は、ワシントン条約でこの鹿の捕獲は禁止され、殆どが合成のものです。
アンバーグリスは、マッコウクジラの腸内に発生した結石と考えられています。
日光や海水や空気の作用で芳香に変わります。
けむるような甘い香りで、ヨーロッパではポマンダーによくつめられました。
霊猫香は、ジャコウネコの分泌腺嚢にある物質です。
いずれも、古来恋のシーンに密かに活躍してきた香りです。





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