【ミント類】



ミントの名は、黄泉の国の王ハーデース(プルトー)に愛された美しいニンフ、メンタに由来しています。
その為、ハーデースの妻である女王ペルセボネーの嫉妬を受けてこの植物に変えられたとか。
楚々とした清純さを感じさせる姿を持ったこのミントですが、その地下茎は深く深く潜行し、その黄泉の国の王との愛に生きているかのようです。

ミントはもっとも親しまれているハーブの一つですが、その仲間の種類は多く、様々なものがあります。
スペアミント・ペパーミント・アップルミント・パイナップルミント・オーデコロンミント・ペニーローヤル・日本ハッカなどがその仲間です。
日本ハッカがもっともメンソールが高く、漢方にも使われています。
ミントは一緒に植えるとすぐ交配する性質があるので離して植えるよう気をつけましょう。
又、ミントの根は強く、他の植物と寄せ植えするとその植物が負けてしまうので要注意です。
又、鉢やプランター植えの場合は、2年に一度株分けしてやらないと根の勢力が強くて一杯になってしまい根ぐされを起こしてしまうのでこれも気を付けましょう。
それ以外では比較的育ちやすく、初夏から晩夏にかけて、愛らしい花を次々と咲かせ、目を楽しませてくれることでしょう。

昔からインドなどの暑い国では戸口にミントを吊るして清涼感を得ているそうです。
成分のメンソールが肌に涼しい刺激を与えるためです。
バスタイムに使用するととても爽やかで、夏場生い茂った生のミントの葉を使用するととても素敵です。
皮膚の傷を癒しひきしめます。
ドライにしたものも生のものも、いずれも爽やかですが、生のものはドライに比べてスカスカ感がなく、とろっとした甘味を感じさせてくれます。
サラダやアイスクリームなどに添えても美味です。
普段は大量に食べられるものではないのですが、中近東などの野菜の少ない遊牧民の生活の中でこのミントを出されると、肉類とのバランスでどっさりと食べられるものだとも聞いています。
又、古くから消化器系疾患の万能薬としても利用され、ギリシア・ローマ時代には食欲増進のハーブとして食卓に生葉をこすりつけたりしていたようです。
消化・殺菌・強壮・鎮静などに用いられますが、多量に用いれば刺激剤ともなります。
特に、ミントの精油をバスタイムに利用するときは入れ過ぎに注意しましょう。
刺激を与え、又冷えてしばらく震えが止まらなくなることもあります。
けれど適度に用いれば、この冷やしてくれる働きが、肩の凝りや頭痛、吐き気などを癒してくれることにもなるのです。
このメンソールの働きを利用したものが、普段の生活の中でも多く見受けられるようです。

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又、パイナップルミントは白の班がはいっていて鑑賞用に奇麗なものですが、風に弱く当たると葉が茶色になり易いのが注意点です。





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