【乳香・没薬】



乳香・没薬・黄金。
この3つの品が、その昔キリスト生誕のおりに東方の3人の博士(賢者)によって捧げられたと言う宝物です。
乳香は南アラビアにのみ産するボスウェリア属の樹から採るガム・レジンで、古来神に捧げる薫香として、又大切なお客様をもてなす時の香りとして、又香料の保留剤として用いられてきました。
乳香は英語で「フランキンセンス」といいますが、これは古いフランス語で「ほんとうの薫香」を意味する言葉なのだそうです。
日本の現皇太子夫妻がオマーンに行かれた際には、この香りでおもてなしを受けられたそうです。
わずかにレモン様の心を落ち着かせるしっとりした香りです。
この乳香の樹を巡って、シバの女王とソロモン王の取引も行われた程の貴重な樹でもありました。
ヘブライ人とエジプト人は莫大な富を費やしてこれをフェニキア人から輸入していたほどだそうです。
液体(精油)状のものと、塊状のものがあり、塊状のものはトパーズのように美しく、そのまま飾ったり、砕いてポプリに混ぜたりしても美しいものです。
精油は、成熟肌に新たな活性を与え、しわを取るとも言われています。
皮膚の強壮剤としても活躍し、皮脂の分泌のバランスをとるのにも役立ちます。
没薬はミルラとも言い、アフリカ東北部、アラビア南部産のコミイフォラ属の樹の樹脂です。
ギリシア神話に出てくる、自分が亡くなった母に似ているが故に父に愛され、子まで身ごもってしまった哀しい王女ミルラが姿を変えた樹とも言われており、そのときできた子がビーナスと恋に陥るアドニースであると言われています。
その歴史は古く、紀元前2000年頃のエジプトのパピルスにも書かれているそうで、香料、化粧品、薫香、ミイラ作りにと用いられました。
ミルラはミイラにも通じると言う事です。





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