SMAP in 名古屋(8/14)感想
by asaki



(はじめに)

一ヶ月程前、誰かのコンサートで踊ってる(笑)夢を見たんです。
目が覚めてから「なんじゃありゃ?」って首を傾げてたんだけど、思い出そうとすると、どんどん忘れていく…。
誰のコンサートだったんだろう、なんて必死に考えてたら、なーんか5人いたような気がするし…まーるい、うちわがいっぱいあったような・……ってことは、よもや…?で、これはSMAPのコンサートに行けってことかしら、なんて勝手に思ってたら、いろんな幸運が重なって、あれよあれよという間に14日のライブに本当に行けることになってしまいました。
いざ行けるとなると緊張してしまって、「どうしよう、どうしよう」とわけがわからないうちに電車に乗って、「名古屋に着いちゃった…」「ドームが見えてきた」「待ち合わせも無事、チケット譲ってもらえた」「ドームに入っちゃった」……

……で、気付いたら終わってた。

ほんとに、あっという間でした。何でしょうね、終わった瞬間のあの感覚。面白かった、という感触だけが残り香のようにあるんです。
何を見たのか、あんまり順序だって思い出せなくて、フラッシュバックみたいに、いろんな場面が次々と脳裏を回ってる。

「生で見る中居くんは、オーラが強すぎて、近寄りがたいほど―」
初めてのライブに何という幸運か、最後に来てくれる花道のすぐそば真正面の席だったんですけど、そのときすぐそこにあった彼の姿が、なんとも言いようがないくらい美しかったです…。
5人があらためて並ぶと、凄まじいほどの存在感で、確かにSMAPのメンバーがそこに居るという実感が、痛いほどにビシビシと伝わってきました。
「夜空ノムコウ」の歌声も素晴らしかった。
数ある見せ場の中でも、素晴らしく綺麗な場面だったろうと思います。
そして、ちょうどこちらの側で少しうつむき加減に、イントロが終わるやスッと面を上げて歌い出した無表情とも見える横顔…ステージ正面に戻るときに、客席の熱狂的な声援に少し驚きながら、見せてくれた笑顔。
…こんなに美しい男が、いや、こんなに美しい生き物が、この世の中にいるんだ……と思いました。
髪の色や汗や照明だけじゃなく、あれはオーラとしか言い様がないもの。
金色、でした。本当に、美しかった……。

写真よりも、動く映像の方が、そして何よりそこにいる姿が綺麗。
時々中居ファンから聞くこの言葉の意味が、このことだったんだな、と分かりました。
生で聞く声、話すときは勿論、そう、歌声が、深く染み透るように艶やかだったのも、感激しました。

行ってよかった。
でも、この初めてライブに行った感動があまりに大きくて、しばらく頭の中が空白状態。三日目にして、ようやく目が眩むような興奮と虚脱感から回復致しました(笑)。
MCや内容自体は、いろんなHPのレポのおかげで分かりますし、どうぞ私なりの初めてのSMAPライブの感想(体験)を、よかったらお聞き下さいませ。



(コンサート感想)


私がこれまで行ったコンサートというと、ほとんどが海外のアーティストなんです。大体が「聴かせる」ライブだったのですが、私自身歌舞伎や演劇といった舞台ものが好きということもあって、どちらかというと(生で観た数自体は少ないのですが)「見せる」ライブの方がこだわって見てしまう。
楽しみながら、その一方で冷静に構成やステージングなども結構見てるんですね。観客としての自分なりのよし悪しは、歌や踊りといった個別のものより、むしろ全体としてどうだったか、というところで判断することが多いです。
だから、つながりに注目してしまう。

SMAPのコンサート。一言でいって、圧巻でした。
もう、オープニングから「やられた!」と思いました。
敢えてストレートに、「BIRDMAN」でくるか!という。
たたみかけるような音にフラッシュバックのような映像が暗闇にひらめく。照明の加減なのか、ダークブルーの場内。やにわに爆音が響き、真紅のオープンカーで漆黒のスーツに身を包んだ五人の男達が走りくる…もう、この濃紺と真紅と黒、そしてシャツの白という色の組み合わせが素晴らしく美しい!カッコよすぎる!でも、上着を脱いでタイをはずせば、いつもの彼らになってシングル曲を歌ってくれるのがまた不思議に新鮮でした。
ところが、ここでまたオープニングの雰囲気に。それをそのままおって、いくつもの仮面が舞うように駆け回る様から、衣装も照明も曲調も華やかなDISCOメドレー(でいいですよね)に。
まさに、ダークなR&BからPOPsへと、何もかもが一変。鮮やかでしたねー。
場内一体になってダンスダンス、のっけからこんなに盛り上がっていいのかというくらい。ここで小休止のMC。
皆席に座ってふっと力が抜けたおかげで、笑いました笑いました。
そこから木村くんのソロ、「逢いたくなって」へとしっとりとしたバラードが続くのも、絶妙の流れですよね。
そして再びMC、罰ゲームで「こ…こんなことまでやるの?」というはじけた姿を見せておいて、ラップメドレー。
衣装も踊りもセクシーで、このギャップが凄まじい。そして一気にエンディングへ。
一回目のアンコールは、これがコンサートの始まりではないかというくらい、最高の演出でした。
「BIRDMAN」としてのオープニングとは別に、SMAPとしてのオープニングを見せてくれたような気がします。
両サイドの花道でそれぞれ手を振ってくれてエンド。それから2回目のアンコールは、今度は正面の花道で「夜空ノムコウ」、ゴンドラでスタンドにも間近で顔を見せてくれました。
思えば、あっという間の3時間15分でした。
あらためて振り返ると、いたるところにメリとハリが配されているんですね。
ダークからポップへ、ダンスからバラード、笑いから息も止まるほどのセクシーなビジュアルに…挙げればきりがありません。
ありとあらゆるレベルで、対照的なものが計算され尽くした形で並べられている。大きな対比では、オープニングから動と静が繰り返され、2度のアンコールでさえも動と静にくっきりと色分けされていました。
それだけではなく、同じ「動」であってもより華やかでポップなものから、シャープで暗い色合いのもの、はじけるように明るいもの…「静」でも恋の切なさ、思いの深さ、身を切るような寂しさなど様々。
さらに、それぞれのコーナーの中でも、坂道を駆け上がるように盛り上げたと思えば、ダンスソロで合間をとって、再びメドレーへというように、なんとも呼吸が巧み。
MC自体も、小休止でありながら、それに続くステージとのギャップを際立たせるためでもあるんですね。
いろいろなものが盛り込まれていながら、全体がまとまっているのもそれでいてメリハリが利いているのも、様々なレベルで一貫した対照性が配されているからなんだなあと思うと、戦慄を覚えるほどの素晴らしさです。
その上、ドームの空間を縦横無尽に駆使した演出も凄かった。
左右のゴンドラ、長い花道、一見シンプルなステージバックに映し出される風景、天上の夜空、羽ばたく「鳥」…衣装にしても、最初は黒、最後は白。
殊音に関しては、完璧。ダンスも演出も。
何もかも全く新しいのではなく、これまでのメドレー&ダンスを(例えばラップメドレー)一つの「作品」として組み込んでくれていたのが嬉しかったですねー。
そのくせ、アレンジやつなぎはより新しく、カッコよく。
数え上げても、本当にきりがない。素晴らしい、圧巻のステージでした。
これまでのSMAP自身のコンサートと比べても、グループでのドーム規模で演ずる「見せる」ライブとしても、他に肩を並べるものが見当たらないくらいの、最高のものだと思います。素晴らしかった。

細かなアイディアやアドバイスは、メンバーやスタッフが出しあってこういった一つの舞台ができあがったのでしょうが、基本的な骨組みと全体のバランス、そしておそらく最終的に「これでいこう」と判断を下したであろう中居正広という人。
この人のプロデュ―スの才能、ものをつくる能力というものは、一体どこまで凄いのかと思いました。
サタ★スマ・フルモンティしかり、コントライブしかり。
以前「彼のことを少し見くびっていたかもしれない」、「まだまだ昇っていって欲しい」というような事も思いましたが、今はもう何も言うことはありません。
常に見るものの、そして彼自身をはるかに上回るものを次々に作り出していく。なんとも言葉がありません。
今回のコンサートで(他にもたくさんあるのですが逢えていうなら)一番感激したのは、「Five True Love」の中居くんのソロなんです。
TVでの(殆ど彼自ら広めている)イメージなど(「言えばよかった」を除いて…いや、面白かったけど。「去年歌えばよかった、歌いたいって言えばよかった」ってゝゝゝ笑かされました)微塵も無く、素敵な歌声を目いっぱい聞かせてくれた中でも――
今回コンサートで彼の歌を実際聞いて思ったんですけど、上手いですよ。
そして、凄く、いい。
なのになぜかワンフレーズ歌おうとすると、音を外す(はっきり言い過ぎ…ごめんね)。
なんでだろうと考えてたんですが、もしかして、音程を合わせて歌ってるんじゃなくて、メロディーを丸ごと覚えて歌ってるんじゃないかな。
だから、「歌って」と言われても…だけど、ちゃんと通してマスターすれば、歌えるのでは?
いや、失礼な意味ではなく、歌詞とリズムとメロディーを全て完璧にそろえないと駄目ってことは、逆に「いい歌」を歌うには必須のこととも思うんです。
だったら、たとえどんなに誤解されようと、それも一つのやり方、中居くんのスタイルかなという気がする。
彼自身が書いたおそらく最も思い入れのある歌詞だったからでしょう。
「Five True Love」、その言葉の深さ、思いの熱さに打たれました。
深いですよね――千草さんも日記で書かれていたけど一つのものが孕む二面性、矛盾にみえても実はコインの表と裏に過ぎないそれを、ちゃんと両方見つめて進んでいこうとする真摯な姿が、私も好きです。
中居台風2号の歌詞しかり。
マッピ―(!)の作詞は、言葉遊びや隠しの茶化しなどで全体的に明るいイメージが強いけど、実はどきりとする部分があって、ちゃんと読むとこれまたとっても深いですよね。

 心の支えはいつでもメンバー

 …夢に向かう ひとり

このアンヴィヴァレントなところがいかにもこの人らしいと思います。
仲間を愛し愛されながら、実は誰よりも孤独なのかもしれません。

そういえば、中居くんももう27歳の誕生日を迎えたんですよね。
もうというか、まだというか、27歳なんだ…。
獅子座というと、ほとばしるの炎のように、自分でも抑えきれないほどの生命のエネルギーが内面から溢れ出すという星座だったと思うのですが、もう少し詳しくみると、彼の知性の星は「破壊と創造」という位置にあるそうですよ。
つまり、何か既存のものを一旦破壊して、新しいものを創造していく。非常な痛みを伴うものの、それを克服し、苦しみの中から喜びを見出そうとする人。

「Five true love」の詞の数々。

新たな創造のための痛み。できあがったそのすぐあとに、また壊して…そういった苦しみを越えて、何かを目指して進んでいく。
この歌詞に、そのまま映し出されているようです。

実際にみた木村くんの印象は、「気のいい、頼りになるあんちゃん」というものでした。
カッコイイんだけど、時折かわいくもあるような。
近づきがたいよりは、親しみがわいてきて目をひく、という意味で理想の男性なのかなと思いました。
一般に言われているよりは、ずっとあったかくて無邪気な男の人という印象。
でも、同時に見せ方、聞かせ方が上手いとも思う。
歌がうまい、ではなく、歌い方がうまい。
やはり、常にトップにいつづけるスターの一人なのだと思いました。
TVでのイメージと一番近かったのが吾郎くんです。
鼻筋がすっと通っていて、遠目からでも黒目がちな憂いを含んだ面立ち。
なのに、話し出すととても明るくて、いい友達になれそうな気がする(絶対無理だけど…笑)。
穏やかで大人で受身なんだけど、何かのきっかけではじけてしまうところが大好きです。
実は、隣の席の方に「誰のファンなの?」と尋ねられて、中居くんと吾郎ちゃんと答えたゝゝ
罰ゲームで一人アイドルキックオフを披露(笑)してくれたとき、声が裏返っては思わず照れ笑いで破顔しそうになるのが、かわいかった〜。
逆に、TVのイメージと一番違っていたのが、剛くんです。
マイペースと言われている以上に、自分というものをしっかりもっていて、どんなときでも、実は動じない人。
そして多分、5人の中で一番天才肌なのではという気もしました。
彼に向いていることとそうでないこととがはっきりしていて、向いていないことには一切自分からは手を出さない。
そこが逆におとなしい、目立たないといわれる所以なのでしょうか。
どうしてどうして、これはと思うことに関しては、途端に抜群の存在感を発するのですね。
以前、中居くんが「実は一番頑固」と剛くんを評していたのを思い出しました。
イメージというものが、かえって分からなくなってしまったのが、慎吾くん。
とにかく大きいという印象―顔の造形も、体も、一つ一つの動きも全て―はあるのですが、○○な人、というイメージがわいてこないんです。
敢えて言うなら自然体とか無邪気とかいった「透明」なものばかり。
周りのことがよく見えていて、とても気遣いの人なのは分かるのですが、それを彼自身がどう思っているのかが全然みえない。つかみ所が無い。
でもそこが、慎吾くんがダイナミックと言われているところなのでしょう。
生まれたまま、何にも変わっていないんだろうな、という。
ただ、おおらかでは決してなく、実はとても繊細な男の子に見えました。
そして中居くん。何度も言いますが、あんなに美しい人がこの世に本当にいるんですね…。写真映り、TV映りが悪いと聞いて首をかしげていたのですが、よく分かりました(苦笑)。平面の画像では、彼が発するオーラというか、あの瑞々しさと華やかさとが伝わらないんですね。
もう、手も振れずに溜息が出るばかりでした。
動きも造形も細やかで、何より内面も脆いほどに繊細で感じやすい質なのでは、と思いました。
絶えず周りの人達の心の動きを敏感に察知して、時には際立たせたり、時には和らげたりしながら話を進めていく。
微妙な心遣いが、話を聞いていて伝わってきました。
ただ、同時にとても神経質でもあって、それが時々微妙に滲んでしまうようです。
自分でそれをわざと誇張したり、フォローしたりもするのだけど、ごまかしきれない時もある。
毒気というのは、ある意味こういった(多分彼自身は欠点だと思っている)部分を補うための苦肉の策かもしれません。
ある程度は仕方がない、のかな。
まだ自分自身うまく制御しきれない所なのかも。
自身でも手に負えないほどの繊細さと、自身を傷つけかねない、強すぎる感受性を持った人だなと思いました。

この5人が集まったSMAP。その素晴らしさをあらためて感じた、素晴らしいコンサートでした。
今でもあの時の感動は、すぐにでも心の底から溢れてくるほど大きくて、かえって「もう一度」とはなかなか思えないくらいです。
きっと、「あの場所に自分もいたんだ」という実感は、もっと後になってわいてくるのかもしれません。



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