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風のよる

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はじまりの章

「ノワール・・・よくここまで来たね」
樹の上からなつかしい声がした。
ノワールは見上げた。
「ブロン・・・逢いたかった」
ブロンの瞳がキラリと光った。
「俺・・・オマエに逢えないかと思った。怒っていると思ってた。」
ブロンはフッと笑った。
「何故?」
「俺、自分の方向が正しいと思っていた。だけど、よく判らなくなった。これからどうすればいいのか。いやどう歩いてきたのか。これでほんとうによかったのか・・・。進もうとすればするほど、かえってみちがわからなくなってしまって、・・それでオマエに逢いたかった。」
「人は皆、予想しない結果に出逢うことが多いものさ。」
ブロンは笑った。そうしていつもの笛をとりだし、しずかに吹きはじめた。
ノワールはいつか彼と一緒に樹の上にすわっていた。
ブロンの、そのしずかな瞳と、美しい横顔をみつめ、それから彼のささやいた「ここは終わりでない。俺達自身のはじまりなのだ」という言葉を、ゆめのように聞いていた。

永遠につづく・・・

第1章

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